もうすぐ東京五輪を迎えるにあたって

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     32回東京夏季オリンピック競技大会(以下「東京五輪」)は本来なら今年、2020年に開催される予定だった。しかし、全世界で新型コロナウイルスが大流行したため、2021723日から同年88日まで開催することとなった。オリンピック競技大会は第一次と第二次世界大戦のためキャンセルされた場合はあったが、延期は、124年の歴史上初めてである。東京五輪は、1960年の同じ名前の大会から60年ぶりに開催される夏季オリンピックである。

 

    未だに日本の新型コロナウイルス感染者数は増加傾向にある。厚生労働省によると、記事の作成時点である2020108日基準で検査陽性者は87,020人、死者は1,613人となった。それで、来年、オリンピック競技大会の開催ができるかはまだ未知数だという意見が増えている。日本の年間経済成長率は昨年は約0.9%で低成長時代だと言われ、今年は特に新型コロナウイルスが重要な原因となり、日本の実質GDP成長率はマイナス4%中盤だと展望されている。政府は安倍前総理大臣が自ら「復興オリンピック」と言及したことがあるほど東京五輪を足がかりとして経済発展を狙っているわけだ。1960年のオリンピックを成功的に開催してから世界2位の経済規模になったように、もう一度オリンピック効果が出るだろうと考えられている。

 

    だが、2020年になってからは様々な問題、特に韓国と日本の関係に関する論争が起こり、2019年の貿易紛争で関係の調子が悪くなってから更にひどくなった。


 

 


   先ず、韓国の市民社会を中心にした東京五輪へのボイコット運動があった。今まで東京五輪開催に関する様々な議論があったことに加えて、20197月からの対日不買運動の進行も影響を与えた。これは徴用工に関する歴史的な問題が、韓国の最高裁の判決への報復と韓国と日本の葛藤で浮かびあがったものである。貿易紛争の状況で東京五輪に参加するのは不適切だと言われたが、結局、不参は不可能となった。

 

     


    昨年から続いてきた葛藤と共に、表記と規則の一部も韓国と日本のあいだで問題になっている。東京五輪公式ホームページに独島(クド)とクリル列島は日本の領土だと書いてある。紛争地域や実際に日本の領土ではない地域を一方的に地図に記したのである。また、競技場への旭日旗(旧「日本軍」の旗)の持ち込み許可されたことは、世界平和のための大会に合わないと批判されている。

 

 


   韓国の市民社会や環境団体などは、東京五輪の放射能汚染問題も指摘している。2011年の福島第一原子力発展所事故のため、韓国の外交部は福島県を特別旅行禁止区域にした。しかし、来年オリンピック大会の初競技の開催地が福島の競技場であることが分かり、議論は加速化している。それに東京オリンピック組織委員会は選手団に福島産の食材を支給することを決め、政府は福島の農産物を輸出するなど、選手の安全が脅かされている。




    828日、安倍前総理大臣が公式的に辞任を表明してから18日が過ぎ、菅義偉氏が第99代総理大臣になった。菅総理は安倍前総理の官房長官を勤めただけに安倍前総理の政策を継承する意思を表明した。IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長も「安全な環境なら東京五輪の開催ができる」と自信を示した。安倍政権末期の防疫政策と組織委員会が批判を受けて五輪の開催が懸念を生んでいる中、菅政権は安倍政権が残した宿題、コロナウイルス対応と東京五輪の開催をどのような形で解決することができるだろうか。コロナウイルス対応で戦争のような日々を過ごし葛藤も再燃している世界はオリンピックをきっかけに再び調和を成すことができるだろうか。


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